この注文はオーストラリアのメルボルンから来たもので、ハッピーという名の愛すべきサモエド犬を注文するためのものでした。ハッピーは、その賢さ、優しさ、そして忠実な仲間として知られている純白の天使です。
初めてお話したとき、ハッピーのご家族は彼を「まるで天使のような犬。従順で、思いやりがあり、限りなく愛情深い」と表現しました。第一子が生まれると、ハッピーは自然と兄のような役割を担うようになりました。赤ちゃんのベッドの横に寝そべって静かに見守ったり、母親が仕事をしている間、庭で弟と優しく遊んだりしていました。家族にとってハッピーは決して「ただのペット」ではなく、かけがえのない家族の一員でした。 
(ハッピーは小さい頃は、とても元気で優しい性格の子犬でした。)
ハッピーの本質を可能な限り忠実に捉えるために、ご家族から数え切れないほどの動画が送られてきました。最大の課題は、雪のように白い毛並みを再現するだけでなく、深い眼差しと忘れられない笑顔を再現することでした。人間と同じように、犬もそれぞれに独自の魂、個性、そして愛情表現を持っています。だからこそ、一つ一つのポートレートに深い意味が込められているのです。 
この作品で最も繊細な部分の一つは、ハッピーの毛皮をウールに組み込むことでした。幾度もの調整と改良を経て、ついに作品は完成しました。ご家族が完成した肖像画を初めて目にした時、彼らの目から涙が溢れました。その瞬間、私たちはこの作品が芸術作品としてだけでなく、慰めと思い出の器としての役割も果たしたことを確信しました。
この肖像画を通して、ハッピーの記憶と愛は保存され、家族にとって二人の絆を揺るぎなく保つ手段となっています。家族が私たちに美しく思い出させてくれたように、 「別れは終わりではない。忘れることが終わりなのだ。」